BLOW UP

炎上プロジェクト。見せます。

PROJECT01

炎上プロジェクト その1

開発言語が違って
炎上した話

システムエンジニア

橋本 將

MASARU HASHIMOTO

勤務歴:5年

取得言語:Java、JavaScript、jQuery、HTML、CSS、PHP、Python、Ruby、GAS、Go、VB.Net、VB

背景

20XX年、某大手企業からJavaでのシステム開発が依頼された。
そこで早速、ルートゼロはJava開発者でチームを結成した。
最初はクライアントと良い雰囲気で打ち合わせがスタートしたその案件だったが、その後予想だにしない炎上案件となってしまったのだ。

え?これってCOBOL開発ではw

最初の挨拶をすませ、いざプロジェクト内容の話が始まった。
しかし、クライアントからの話を聞くと、どうも話が噛み合わない。
「え?これはCOBOLの開発案件ですか?」
当初、COBOLという言語で書かれたシステムをJavaでリニューアルする案件と聞いていた。
つまり、
COBOL → Java
という案件だ。

そのため、Javaの経験者で3人チームを結成していたのだが、
実際によくよく話を聞いてみると、
COBOL → 自動生成に対応したCOBOL → 自動生成にてJavaに変更
さらに困ったことに、Javaでの開発だと頑なに言い張り話が一向に進まない。
ルートゼロ 「この開発は、Javaでの開発ではなく、COBOLも含んだ開発ですよ。」
某大手企業社員「いえ、これはJavaでの開発のはずです。間違いありません。」
クライアントの設計や言語への理解が間に合っていないという状況がさらに状況をややこしくしていた。

そして、炎上。

ミスコミュニケーション以外にも大きな問題があった。
それは、スケジュールの問題だ。
クライアントがJava開発案件であることを前提にスケジュールを考えているため、COBOL未経験者では、明らかに納期に間に合わないという状況になってしまっていた。
残念ながらルートゼロ内のCOBOL経験者は全員別プロジェクトで稼働しており、現在のメンバーで状況打破するしかない。
クライアントとスケジュールや要件についての交渉を続けていたのだが、折り合いが付かずにさらに大炎上することとなった。

エンジニアの大切な時間を守りたい

その後も、クライアントとの交渉を続けていくこととなった。(ちなみに弊社では当時、基本的に社長や支社長が直接交渉していた。)
しかし、中々折り合いがつくことはなかった。
ルートゼロには大切にしている価値観がある。
それはエンジニアの時間を大切にしようという価値観だ。

2ヶ月の開発案件だっとしても、その期間はエンジニアのキャリアにとってはとても貴重な時間だ。エンジニアにとって、日々の開発時間は人生を決める大切な時間である。

ルートゼロでは、毎月1on1ミーティングをして将来どうなりたいか確認し、本人の選択を最大限応援している。つらい案件も楽な案件もエンジニアとしての将来にどのような意味を持たせるか一緒に精一杯考える。
だからこそ、今回のプロジェクトはエンジニアにとって非常に重要である、「時間」を守るため、「撤退」という判断をすることとなった。

プロエンジニアとしての責務

しかし、撤退という判断をするからといって依頼を蔑ろにすることはプロとしてありえない。
その後、撤退する日までに出来る最善のスケジュールを引き直した。
どのようにすれば、プロジェクトをうまく着地させられるか。そのためにルートゼロとしてできる最大限のことは何か?
結局、コードを書くことよりもプロジェクトマネジメント要素が強くはなったが、撤退までに出来ることをやりつくし、炎上を鎮火させ撤退することとなった。

プログラミングの原理原則を再確認することが出来た

取材班今回の案件を経験して感じたことはありますか?

橋本元々の考えとして、言語が違ってもアルゴリズムは一緒で書き方が違うだけだという考えだったのですが、今回の案件で触れたことのない言語に触れてみて、その考えに間違いはなかったなと再認識しました。

取材班なるほど。エンジニアとしてはやはり、プログラミングの根本的なアルゴリズムを理解することで、今回のような触れたことのない言語も理解することができるようになるのですね。

取材班今回の案件で、新しく学んだことなどはありますか?

橋本どんな現場でもやってできないことはないということですかね。

取材班それはどういうことでしょうか?

橋本今回の案件では、全く触れたことのない言語であるCOBOLという言語による開発だったので、派遣されてからは自分で1から勉強しながらやっていました。しかし、触れたことのない言語なんだから何も出来ないという考えで今回の案件を進めていたら、こういった案件をどう対処するかや、COBOLという言語の書き方などを理解することは出来なかったかなと思っています。

取材班自責思考ではないですがどんな現場でも何かやってやろう、何か学んでやろうという考えを持つだけでも成長のスピードは全く違うかもしれませんね。

橋本としても、今回の案件が大きな成長のきっかけになったと語る。

PROJECT02

炎上プロジェクト その2

即昇進と
バグとわたし。

システムエンジニア

大西 清司

SEIJI ONISHI

勤務歴:2年

取得言語:Java、VBA、javascript、Google AppsScript、PowerShell

え?もう設計?え?もうリーダー?

冬の寒さを感じる今日この頃、某大手ガス会社から依頼が来た。
内容は社内システムの開発で、アサインされてすぐはPGとして一般的な業務を行っていた。
しかし、1ヶ月が経った頃、
「すみません、設計も担当してもらえますでしょうか?」
と某ガス会社の社員から告げられた。
通常、1ヶ月で設計担当になるなんてことなどあり得ない。実はこの案件は既に炎上しており、設計担当のメンバーが抜け、欠員が生じてしまっていた。どうやら、その穴埋めとしてお声がかかったようだった。

そうして流れてきた要望を迷うことなく受け入れた当初の大西は、もしかすると少し頭のねじが外れていたのかもしれない。
一切の不安や心配が頭をよぎることなく、二つ返事で引き受けた。
「大西が設計から担当することになって4ヶ月が経った頃、「あのー、開発のリーダーも担当していただけますか?」
と某ガス会社の社員から告げられた。
“断る”という言葉を忘れてしまっていた。
大西は、
「ぜひ担当させてください!」
と、これまた二つ返事で請け負った。
しかしながら、当然経験のない役職である。
それからというもの、業務時間を数えるのが嫌になるほどのハードワーク。
経験のない役職の為、メタルスライム倒し放題のようなレベルアップ。
開発リーダーとしての責任を果たすべく、がむしゃらに働き通した。

バグ。バグ。バグ。バグ。バグ。バグ。

そんなハードな案件を乗り越えた大西
死線をくぐり抜けた彼に訪れた次の案件は、業務パッケージへの新規機能追加であった。
もちろん、既存の業務パッケージはバグだらけ。
入る前から炎上真っ只中の案件である。
ただ、今回はその業務パッケージのバグ改修ではなく、あくまで追加する新規機能の開発。その為、炎上の中に突っ込むような案件ではなかった。
幸いにも、新規機能の開発自体はスムーズに進み、何事もなく案件を終えた。
炎上案件を尻目にそそくさと退散したいところであったが、世の中はそんなに甘くない。

この新機能追加案件が終わった頃、そのバグだらけのパッケージを導入した企業から別のパッケージ導入でヘルプの声がかかった。
つまり、炎上を起こした張本人からの勧誘である。
実は、バグだらけのパッケージを開発した企業も、新規機能開発のチームと並行して稼働していたため、新規機能を開発する大西のチームメンバーや成果を把握していたのだ。
「まあ、さすがに他の案件でも炎上ということはないだろう…」
と勝手に高を括っていた大西にまさかの事態が...。
なんと、新規で勧誘された案件までもが炎上していたのだ。
状況は芳しくなく、納期はかつかつな上に無茶な要件ばかりで、やっと実装しても差し戻しの繰り返し。それだけではなく、炎上案件はチームメンバーのケアやクライアントとの苛烈な交渉など、視野を広げて業務に取り組まなければならない。
必死で食らいついていたのだが、ある程度動く状態まで作り上げたところで案件がストップしてしまい、そのまま終了となった。
頓挫してしまったとは言え、この炎上案件である程度の結果を残したという功績が、まさか今後の大西のキャリアに大きく影響してくるとは、彼自身知る由もなかった…。

大西さんはいらっしゃいますか?

取材班大西さんは積極的に無茶な案件に飛び込んでいるように感じたのですが、何か理由などはあるのでしょうか?

大西ーあの頃は若かったからですね(笑) いろんなことに興味があって他の人がやりたがらないことも積極的に取り組んでいました!

取材班他の人がやりたがらない業務だからこそ学んだ内容などはありましたか?

大西ーそれは非常に多くありましたね。当初は設計業務もやったことがなかったですし、開発リーダーなんて想像も付かない役職でした。おかげさまで今はある程度の業務は臨機応変に対応できるようになりました(笑)

取材班本当にすごいです。パッケージ導入の案件では、過酷な環境の中でも結果を残していますしね。

大西ーそうですね。ありがたいことに当時の実績を評価されて、「大西さんはいらっしゃいますか?」のような個人指名での依頼も来ることがあります。そういった意味では当時あの案件を僕に任せてくれたルートゼロには感謝しています!

取材班エンジニアの職種として、それは非常に嬉しいですね!炎上プロジェクトは非常に大変というデメリットがあり、誰もが避けたがるかと思うのですが、大西さんのようになれる大きなメリットもあるのかもしれませんね。

PROJECT03

炎上プロジェクト その3

すみません、
鎮火出来ません。

システムエンジニア

橋本 將

MASARU HASHIMOTO

勤務歴:5年

取得言語:Java、JavaScript、jQuery、HTML、CSS、PHP、Python、Ruby、GAS、Go、VB.Net、VB

背景

袖が徐々に短くなり、夏の訪れを感じる今日この頃。
エンジニアであれば誰もが知るF社から、在庫管理システムの依頼が来た。
どうやら急ぎの案件のようで、希望納期は1〜2ヶ月。
「え、これを2ヶ月で作るんですか?」
そんな心の声をぐっと飲み込み、案件がスタートすることとなった。
とても2ヶ月で終わるようなボリュームではなかったが、社長ともキャリア形成について1on1で何度も話し合いこの案件に参加することを心に決めた。

「愚痴を言っていても仕方がない」

来たる嵐を予見してため息が出てしまいそうになったが、これは腕の見せ所なんだと自身を奮い立たせてとにかく必死にコードを書いた。
そんな息つく暇もない日々を過ごし、キーボードの叩きすぎで指の震えが止まらなくなった頃、
「あれ、完成した?」、
通常であれば2か月では終わらないような案件を、なんと約1か月で完成させてしまったのだ。その功績が評価され、幸か不幸か、2か月の予定だった契約も更新してもらい、引き続きF社でプログラミングを続けることとなった。
そこから1年半が経った頃、橋本の依頼が増えてきたこともあり、新人をアサインしないとF社の案件を続けることが難しくなってきていた。F社へ事情を説明し、あれこれ打ち合わせを続けてきたが、F社の方で新人分の予算確保が出来ないの一点張りで、折り合いがつかずに契約は終了となった。
もちろんこれは序章であり炎上プロジェクトではない。
本番はここから。

火事の中に飛び込んだことはありますか?

「橋本さんにご依頼させて頂きたいのですが…」
ある日突然、懐かしい声の電話が来た。
それは、1年前に(無茶な)案件をご依頼いただいた、あのF社だった。
正直、嫌な予感がした…。
また無茶な案件を依頼してくるのではないか、という考えが頭によぎったからだ。
この手の悪い予感は大概当たるものだ。
内容としては、F社が受注した案件をルートゼロではない会社に外注し、プロジェクトが1年程度進んだ後に、F社とクライアントが揉め、凍結してしまったらしく、その案件を再開したいというものだった。
ちなみに言語は未経験のVB.NETで、予算の半分程度は既に消化済み。明らかに炎上の最中といった案件。とどのつまり、口には出さないが「火事を鎮火してほしい」という案件だったのだ。 案の定、嫌な予感は的中した。
最終的に、後輩のエンジニアと会社で中堅のエンジニア、橋本の3人でアサインされることが決まった。

鎮火作業開始!そして…

予想していた通り、案件がスタートしてからは地獄だった。
というのも、扱ったことのない言語ではあったものの、開発が意外とすんなり進んだことで開発リーダーに任命。
当然稼働時間も増えるのだが、予算は半分程度消化してしまっている状況の為、費用は増やせない。
さらに、F社とクライアントの間で要件などが全くすり合わせされておらず、開発しては手直し、開発しては手直し、の不毛な繰り返しが続いたのだ。
さすがに橋本も、
「この開発で本当に合っていますか?少し違和感のある開発内容ですが…」

と、時々確認を行うのだが、F社からは
「はい!合っています!よろしくお願いします。」
というさわやかな返事が帰ってくるのみ
最終的には、F社とクライアントの間で要件定義すら完了しない状況となった。
それでもF社からは
「多分、この機能で大丈夫なので実装してください。」
という曖昧な指示が来る有様だった。
1年程度のプロジェクトだったのだが、約半年が経った頃、約4割程度しか進んでおらず、再びF社とクライアントの間で炎上。その炎は鎮火する事なく燃え続け、結局のところ案件が再度停止になることが確定した。
案件停止までは新人と中堅のメンバーを守ることを最優先にしつつ、橋本個人では案件停止までにやれることをやり切ることとなったのだった。

火の粉をくぐり抜けた先は天国?地獄?

その後、担当社員である橋本にこの案件を経験してみた感想について聞いてみた。

取材班無茶な案件を乗り越えたと思ったら、炎上案件に呼びこまれるとは、中々出来ない経験ですよね。

橋本そうですね(笑) 指名を受けてしまっては断ることも出来ないので(笑)

取材班たしかに(笑)

取材班経験のない言語で個人指名を受けるというのは、エンジニアではかなりすごいことだと思うのですが、個人指名を受けた理由はあるんでしょうか?

橋本最初の在庫管理システムの開発の際に、明らかに無理のあるスケジュールの中で何とか乗り切ったという事が、評価された要因なのかなと思っております。

取材班なるほど。ちなみに、その在庫管理システムの開発案件が終了した後の1年半では無理難題はなかったんでしょうか?

橋本無理難題かは分かりませんが、誰も触ったことのないチャットツールのレクチャーをしたり、仕様書の作成などはしていましたね。

取材班十分、無理難題かと思います(笑)

橋本そうですかね(笑) ただ、もしかするとそういった無理難題に応えるような部分も評価されて、その後の個人指名に繋がったのかもしれません!

取材班さすが!めちゃくちゃ稼がれてるだけはありますね(笑)

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