GETとPOSTって何が違うの?初心者がつまずく代表的な疑問
Webアプリを作っていると、「フォームを送信したのに正しく遷移しない」「405エラーが出て焦った」といったトラブルに出くわします。
その原因の多くは、GETとPOSTという2つのHTTPメソッドの違いを正しく理解していないことにあります。まずは、日常に例える形で、この2つのメソッドの役割を見ていきましょう。
そもそもGETとPOSTとは?ざっくり把握する要点まとめ
GETは、URLの末尾に情報を付与してリクエストを送るメソッドです。検索処理や一覧表示など、ユーザーの操作によってデータを「取得」する用途に使われます。URLに情報が含まれるため、ブックマークや共有がしやすいという特徴があります。また、再読み込みしても問題が起きにくいです。
一方POSTは、リクエストボディの中に情報を含めてサーバーに送信します。新規登録、更新、削除といった処理など、サーバー側に何らかの「変更」を求める際に利用されます。POSTは状態に依存して動作するため、URL直打ちや再読み込みに注意が必要です。再送信によって意図しない処理が再実行されることもあります。
GETとPOSTの正しい使い分けとは?業務アプリ画面遷移で学ぶ
業務アプリケーションのような構成では、GETとPOSTを適切に使い分けることが設計の質に直結します。
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初期表示(検索画面の表示)にはGETを使用します。これはユーザーがページにアクセスしたときの最初の状態を表現するからです。
-
ユーザーが検索条件を入力し、検索ボタンを押してデータを取得する際にはPOSTを使います。
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データの登録・更新・削除といった処理にはPOSTを使い、明確な状態変更を伝える役割を担います。
POSTをURLで直接開くとエラーになることがありますが、それはリクエストボディが必要なのに情報がないためです。
よくある誤解|URL直打ちでPOST処理にアクセスしてしまう
例えば検索フォームをPOSTで実装した場合、検索条件がURLに含まれないため、URLを直接開くと405エラーが発生します。このような誤動作を防ぐには設計上の配慮が不可欠です。
Spring Boot × Thymeleafによるフォーム実装(検索画面例)
ユーザー操作フロー
-
ユーザーが名前・部署を入力する
-
フォームをPOSTで送信する
-
結果が同じ画面に表示される
HTMLテンプレート(Thymeleaf)
<!-- employee/search.html -->
<div th:object="${form}">
<form action="/employees/search" method="post">
<label>氏名: <input type="text" th:field="*{name}" /></label>
<label>部署: <input type="text" th:field="*{department}" /></label>
<button type="submit">検索</button>
</form>
<div th:if="*{results} != null">
<h2>検索結果</h2>
<table>
<tr><th>氏名</th><th>部署</th></tr>
<tr th:each="emp : *{results}">
<td th:text="${emp.name}"></td>
<td th:text="${emp.department}"></td>
</tr>
</table>
</div>
</div>
バッキングクラス
public class EmployeeSearchForm {
private String name;
private String department;
private List<Employee> results;
// getter/setter
}
コントローラー
@GetMapping("/employees")
public String showSearchForm(@ModelAttribute("form") EmployeeSearchForm form) {
return "employee/search";
}
@PostMapping("/employees/search")
public String searchEmployees(@ModelAttribute("form") EmployeeSearchForm form, RedirectAttributes attrs) {
List<Employee> results = employeeService.search(form);
form.setResults(results);
attrs.addFlashAttribute("form", form);
return "redirect:/employees";
}
よくある質問(FAQ)
Q. GETでフォーム送信してもいいの?
A. 入力データが少量で、再現性が重要な検索処理ではGETでも問題ありません。ただし、長いクエリや機密情報には不向きです。
Q. POSTの再送信を防ぐには?
A. PRG(Post/Redirect/Get)パターンを用いるのが一般的です。処理が完了したらRedirectViewでGETの画面に遷移させ、ブラウザの再読み込みでも再送信されないようにします。
@PostMapping("/form")
public RedirectView submitForm(MyForm form) {
formService.save(form);
return new RedirectView("/form/complete");
}
まとめ|GETとPOSTの違いを設計力に変える
GETとPOSTの違いは、単なるHTTP仕様の理解にとどまらず、ユーザー体験やシステムの安定性にも直結します。以下のポイントを踏まえて、日々の設計に活かしてください。
-
初期表示にはGETを使っているか?
-
更新・削除・登録などはPOSTにしているか?
-
POSTの再送信対策は設計されているか?
次に学ぶべきステップ
-
PRGパターンを他の業務画面にも応用してみる
-
GET/POST以外のメソッド(PUT/DELETE)についても確認する
-
Spring SecurityとHTTPメソッド制御の関係を理解する
最後に|GETとPOSTの違いがわからず苦労した私の話
筆者自身も、最初のWebアプリ開発でPOSTに関するエラーに何度も悩まされました。特に、検索結果をブックマークしようとして再現できず、設計の見直しを迫られた経験がありました。
このような失敗を経て、GETとPOSTを正しく使い分ける重要性を学びました。この記事が、同じように学びの途中にいる方の助けになれば幸いです。
【外部リンク】
Spring Framework公式ガイド – Spring MVC
MDN Web Docs: 405 Method Not Allowed
【内部リンク】
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