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CSSのremとpxの違いとは?メリット・デメリットと実務での使い分け方

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よくある悩み|remとpx、結局どっちを使えばいいの?

「pxで指定したのに、スマホでは文字が小さすぎて読みにくい」「remがいいと聞いたけど、なぜなのかよく分からない」。Web制作を始めたばかりの方や現場で設計ルールに悩むエンジニアにとって、CSSの単位選びは思った以上に重要です。

本記事では、CSSで使われる2つの主要単位「px」と「rem」について、初心者にもわかりやすく仕組みを解説しながら、実務でのベストな使い分けを提案します。アクセシビリティやスケーラビリティを意識した設計をしたい方におすすめです。


記事で得られること

  • 「px」と「rem」の仕組み・違いを理解できる

  • 実務で使い分ける際の判断基準がわかる

  • スケーラブルなUI設計に役立つ設計パターンが手に入る


CSS単位の基礎|「rem」と「px」の仕組みをやさしく解説

CSS 単位 pxとは?ピクセルの基本

「px」は画面上のピクセルに基づく絶対単位です。たとえば以下の指定:

font-size: 16px;

この指定は、常に16ピクセルの高さで表示され、ユーザー設定には影響されません。

  • メリット:デザイン通りの再現性が高い

  • デメリット:ユーザーの文字サイズ設定や高解像度ディスプレイに対応しにくい

CSS 単位 remとは?ルート基準の相対指定

「rem」は相対単位で、HTMLのルート要素(html)に指定されたfont-sizeを基準にサイズが決まります。

html {
  font-size: 16px;
}
p {
  font-size: 1.5rem; /* → 24px相当 */
}

このようにremを使えば、ルートの指定を変えるだけで全体のスケール調整が可能です。

  • メリット:一括調整やユーザー設定に追従しやすく、スケーラビリティに優れる

  • デメリット:基準値を把握していないとサイズ感がつかみにくい

remとemの違い|階層で変わるem、一定なrem

  • emは親要素に対する相対指定 → ネストが深いとサイズが崩れやすい

  • remはルート要素に対する相対指定 → 一貫性が保ちやすい

html {
  font-size: 16px;
}
h1 {
  font-size: 2rem; /* → 常に32px */
}

このように、remはどの階層にいてもサイズがブレないのが特徴です。

実務で押さえておきたい前提知識

  • ブラウザの初期設定は html { font-size: 16px; } が一般的

  • remはユーザーの文字拡大設定を尊重でき、アクセシビリティの高いUI設計に向いている

  • 特にフォントサイズや余白設計にremは有効


remとpxの使い分け|現場でよくある誤りとその解決法

よくある失敗:すべてpxで記述してしまう

.card-title {
  font-size: 24px;
}
.card-text {
  font-size: 14px;
}

このように全てpx指定すると、ユーザーの拡大設定が無効になり、可読性やアクセシビリティが損なわれます。

改善パターン:remをベースにしてpxで微調整

html {
  font-size: 100%;
}
.card-title {
  font-size: 1.5rem; /* → 24px相当 */
}
.card-text {
  font-size: 0.875rem; /* → 14px相当 */
}

remで基本スケールを管理しつつ、必要な部分にだけpxで固定値を補完するのが実践的なアプローチです。

remとpxの棲み分けルール

  • rem:フォントサイズ、マージン、パディング(全体設計の柔軟性を担保)

  • px:ボーダー幅、アイコンサイズ、細部の装飾(見た目の精度を重視)


デザインツールとの連携|pxからremへの変換に注意

FigmaやAdobe XDなどのデザインツールではpxで設計されることが多いため、実装時にはremへの変換が必要です。

  • 実装ルール(例:1rem = 16px)をチーム内で共有しておくと混乱が減る

  • コンポーネント単位での設計ガイドラインに「rem換算表」などを用意するのもおすすめ


まとめと実践アクション

学んだことの整理

  • 「px」は固定表示に優れるが、拡大縮小に弱くスケーラビリティに欠ける

  • 「rem」は相対指定で、ユーザー設定や全体スケールに柔軟に対応できる

  • 実務では「remベース+必要なpx補完」が最適解

  • 「em」は柔軟だがネストで崩れやすく、再利用性を重視するならremが安定

次にやってみよう

  • 既存のCSS設計を見直して、remベースへのリファクタリングを検討

  • px→remの変換早見表を作成してチームに共有

  • フォントサイズ・余白の調整にはremを、見た目の調整にはpxを活用する練習をする


CSSの単位は、ただの数値指定ではなく、設計思想そのものに直結します。remとpxの特性を理解し、アクセシブルで拡張性の高いUI設計を実現しましょう。

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