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Webフォント最適化チェックリスト|なぜ遅い?原因とサブセット化・font-display完全解説

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はじめに|Webフォント高速化で“現場”が変わる

「Webフォントを入れたらページが遅くなった…どうしたらいい?」
私たちWeb制作者・エンジニアの現場で、そんな声をよく耳にします。
デザイン性は保ちたい、でもLCPFIDが落ちるのは避けたい。
実は日本語Webフォントはとても便利ですが、重さの原因もたくさん。
「SPAやモバイルでの遅延」「どの対策が本当に効く?」――
この記事では、主な原因の整理と効果的な解決策をわかりやすくまとめます。

(Webパフォーマンスの測定・改善については『パフォーマンスタブ徹底解説|Chrome DevToolsでWebパフォーマンス改善の全手順』をご参照ください)

用語解説:LCP(Largest Contentful Paint)
主要コンテンツの描画速度を示す指標。Webページの「見た目の速さ」を評価する際に重要。

用語解説:FID(First Input Delay)
ユーザーが最初に操作した時の反応速度。体感的な「速さ」に直結する。

用語解説:日本語Webフォント
ひらがな・カタカナ・漢字など多くの文字を含むため、欧文フォントよりファイルサイズが大きくなりやすい。

用語解説:SPA(Single Page Application)
ページ遷移をせずに動作するWebアプリ。初回表示や遷移時のパフォーマンス課題が出やすい。


1. Webフォントが重くなる3つの主な原因

なぜWebフォントでページが重くなるのでしょうか?
その背景は大きく3つに分解できます。

■ パフォーマンス指標(LCP/FID/CLS)とUXへの影響

  • LCP(Largest Contentful Paint)…
    主要コンテンツの描画速度に直結します。Webフォントの遅延はスコア悪化を招きがちです。
  • FID(First Input Delay)…
    最初の操作の反応速度。フォント読み込み待ちで初動が遅れることも。
  • CLS(Cumulative Layout Shift)…
    レイアウトずれの指標。FOUTFOITで画面がチラつく、そんな“あるある”現象もこの値に影響します。

用語解説:CLS(Cumulative Layout Shift)
ページ表示中のレイアウトずれを数値化した指標。フォント遅延で画面が動くと悪化する。

用語解説:FOUT(Flash of Unstyled Text)
Webフォントが読み込まれるまで一時的に標準フォントで表示される現象。

用語解説:FOIT(Flash of Invisible Text)
Webフォント読み込み中にテキストが一時的に非表示になる現象。

■ 日本語Webフォント特有の重さ・SPA/モバイルでの課題

  • 日本語はファイル容量が大きい(ひらがな・カタカナ・漢字…文字数が多い!)
  • SPAやモバイル案件では、初回描画が遅くなる・キャッシュが効かない等の“ハマりポイント”が多数。
  • 複数フォント・ウェイト指定も、転送量増&表示遅延のもと。

(SPAやReact/Vue案件の準備・知識については『Vue.js・React案件の参画準備7選|SESエンジニアがつまずかないための知識』をご参照ください)

「なぜ?」がわかると対策もクリアに見えてきます。


2. Webフォント最適化チェックリスト&比較表

「まず何から手を付ける?」
そんな時、現場で役立つのがこの王道チェックリスト。
速度・工数・コストの観点から整理しました。

対策 速度改善 工数 コスト ポイント
サブセット化 必要文字だけ抽出し軽量化
自社ホスト △〜○ △〜○ サーバー負荷・ライセンス要確認
CDN利用 配信高速化・外部依存
font-display指定 レイアウト安定化・swap副作用
preload活用 読み込み優先度制御
プラグイン活用 △〜○ 自動化可、要件マッチを要確認

用語解説:サブセット化
必要な文字だけを抽出してフォントファイルを軽量化する手法。

用語解説:自社ホスト
Webフォントを自社サーバーで配信する方法。外部依存を減らせるが、ライセンスや運用負荷に注意。

用語解説:CDN(Content Delivery Network)
世界中のサーバーから高速配信する仕組み。Webフォントの読み込み速度向上に有効。

用語解説:font-display
CSSでフォント表示の挙動を制御するプロパティ。swap指定でFOUTを防ぎやすい。

用語解説:preload
HTMLのlinkタグでフォントの優先読み込みを指示する手法。

用語解説:プラグイン
CMSやフレームワークでWebフォント最適化を自動化する拡張機能。

■ サブセット化とは?効果的な進め方

  • サブセット化…使う文字だけ抽出し、ファイル容量を大幅削減できます。
  • ツールやプラグインを活用し、自動化も検討しましょう。
  • 文字抜けによる文字化けトラブルを防ぐため、事前テストが必須。

用語解説:文字化け
必要な文字が抜けていると、正しく表示されず「?」などになる現象。

■ font-display・preload設定のコツ

  • font-display: swapテキスト即表示。FOUTの“ちらつき”は出るが、UXは安定しやすい。
  • preload(as=font指定)優先読み込みを促進。初期表示遅延を防げます。

(WebフォントのSEOやCVRへの影響については『ノーコード・ローコードの違いを徹底比較!現場で選ぶ基準とは』も参考になります)

用語解説:font-display: swap
Webフォントが未読込でもテキストを即表示する設定。FOUTが発生しやすいがUXは安定。

用語解説:preload(as=font)
HTMLでフォントの優先読み込みを指定する方法。初期表示の遅延を防ぐ。

用語解説:UX(User Experience)
ユーザーがWebサイトを利用する際の体験・満足度。

■ プラグイン・ツール選定の注意点

  • CMSやフレームワーク向け最適化プラグインも増加中。
  • 自社要件(CMS対応・運用体制・ライセンス)とマッチするかは必ずチェック!

まずは手元のPJで、どこまでサブセット化&自動化できるかを試してみてください。


3. ビフォーアフターで見る最適化効果

「対策でどれほど改善できるのか?」
ここでは最適化施策による効果の一例を紹介します。

■ サイトのLCP/FID改善

  • サブセット化や自社ホストの導入により、LCP(主要描画速度)の改善が期待できます
  • レンダリングブロック解消やCLS(レイアウト安定)も同時に改善できます。

■ SPA案件でのパフォーマンス向上

  • SPAでは、プリロード・キャッシュ・遅延読み込みの組み合わせが効果的。
  • 初回描画や画面遷移時のUX改善も期待できます。

用語解説:キャッシュ
一度読み込んだデータを保存し、再表示時の速度を向上させる仕組み。

用語解説:遅延読み込み
必要なタイミングでフォント等を後から読み込む手法。初期表示を速くできる。

■ 失敗例・要注意ポイント

  • サブセット化時に必要文字を抜かすと文字化け。抽出設定は慎重に。
  • 自社ホスト運用はライセンスや保守運用体制も忘れずに確認。

「Before/After」を数値で見直すことも、“説得力ある提案”に繋がります。


4. モダン環境での最適化ワークフロー

「Next.jsやReact、CMSだと何を意識すべき?」
実装プロセスは時代に合わせて進化中。今よく使われるワークフローを紹介します。

■ Next.js/React/Vueでのベストプラクティス

  • Next.jsのnext/font活用で、Google Fontsの自動サブセット化・自社ホストが簡単。
  • React/Vueでは、プリロード・font-display・CDN配信など複数の手法がよく利用されています。

用語解説:Next.js
ReactベースのWebアプリ開発フレームワーク。next/fontでフォント最適化が容易。

用語解説:React/Vue
人気のJavaScriptフレームワーク。SPAやWebアプリ開発で広く使われる。

■ プロジェクト要件から本番反映までの流れ

  1. 要件整理(使うフォント/対応ブラウザ/範囲を確認)
  2. サブセット化&最適フォーマットへ変換
  3. font-face・preload・font-display等を設定
  4. LCP/CLS等の指標でテスト
  5. 本番反映&モニタリング
  • チェックリストや工程表を活用すると、抜け漏れ防止や進捗管理がしやすくなります。

現場の“詰まり”を減らすには、ワークフローの可視化がコツです。


5. よくある疑問・FAQ

「Google Fontsの速度やサブセット化の必要性」など、よくある疑問に解説します。

  • Google Fontsは本当に遅い?
    基本的に最適化済みですが、日本語はファイルサイズが大きくなりがち。サブセット化や自社ホスト化が有効です。
  • サブセット化しないと何が問題?
    使わない文字も全読み込み→転送量増加&速度低下。必要文字だけ抽出すれば◎。
  • font-display: swapのメリット・デメリットは?
    テキスト即表示(FOUT回避)だが、一瞬の“ちらつき”が出ることも。
  • WOFF2/WOFF/TTFの違いと選択基準は?
    WOFF2は圧縮率◎、現代ブラウザ推奨。レガシー対応ならWOFF/TTFも併用。
  • WebフォントのSEOへの影響は?
    表示速度の遅さは検索順位やCVRにも影響。最適化でSEO対策にも効果あり。
  • SPA/モバイルで特に注意すべき点は?
    初回表示が遅れがち。サブセット化・プリロード・キャッシュ制御など複数施策の併用推奨。
  • 有料フォントライセンスで注意すべきことは?
    利用範囲や配布方法、契約条件は事前確認を。違反リスクを避けるためにも丁寧にチェック。

用語解説:Google Fonts
Googleが提供するWebフォントサービス。日本語はファイルサイズが大きくなりやすい。

用語解説:WOFF2/WOFF/TTF
Webフォントのファイル形式。WOFF2は圧縮率が高く、WOFF/TTFは古いブラウザ向け。

用語解説:SEO(Search Engine Optimization)
検索エンジンで上位表示されるための施策。表示速度も重要な要素。

用語解説:CVR(Conversion Rate)
Webサイトの成果(購入・申込など)につながる割合。表示速度がCVRに影響する。

用語解説:ライセンス
フォント利用の契約条件。商用利用や配布範囲に注意が必要。


まとめ|現場で“今すぐ”できるWebフォント最適化

Webフォントの重さに悩んだら、
1. 原因分解→2. サブセット化や自社ホスト等の施策選定→3. ワークフロー化して手順を明確化
この3ステップを意識しましょう。

多くの現場で使われている手法も、状況や要件によって最適解は変わります。まずは「今のプロジェクト」で、小さく改善を回してみてください。
現場目線のノウハウとデータを積み重ねることが、UX・SEO・提案力アップの鍵です。

気になった設定やツールは、ぜひコピペして動かしながら体感してみましょう。


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