はじめに|@Transactionalが効かない?よくある落とし穴とは
Spring Bootでトランザクション制御を使う際、「@Transactionalをつけているのにデータがロールバックされない」「一部だけDBに反映される」といった経験はありませんか?
これは@Transactionが適用されない“仕組み上の制約”が原因であることがほとんどです。 本記事では、Java初心者にもわかりやすく、@Transactionalの基本的な使い方と、効かない時の具体的な対処法を解説します。
本記事のポイント
1. @Transactionalの基礎:どんな場面で使う?
トランザクションとは?
複数のDB操作をひとまとめにし、全てが成功した場合にのみ反映させる仕組みです。失敗時にはロールバックすることで、データ整合性を担保します。
基本の使い方
@Service
public class UserService {
@Autowired
private UserRepository userRepository;
@Transactional
public void registerUser(User user) {
userRepository.save(user);
}
}
ポイント整理
2. 効かない理由とNGパターンの具体例
パターン1:同じクラス内での自己呼び出し
@Transactional
public void createOrder() {
validateOrder();
}
@Transactional
public void validateOrder() {
}
原因: SpringのAOPでは自己呼び出しはプロキシを経由しないため、アノテーションが機能しません。
解決策:
-
対象メソッドを別クラスに切り出す
-
DIで呼び出す構造にする
パターン2:チェック例外がロールバックされない
@Transactional
public void process() throws IOException {
throw new IOException("チェック例外発生");
}
原因: デフォルトではRuntimeException系のみロールバック対象。チェック例外は対象外です。
解決策:
パターン3:非publicメソッドに付与
@Transactional
private void updateInventory() {
}
原因: Springのトランザクションはpublicメソッドにのみ適用されます。
解決策:
よくある質問:複数の@Transactionはどう動く?
Springのデフォルトは PROPAGATION_REQUIRED。 すでにトランザクションがある場合は同じものを再利用。
新たに分離したい場合は:
@Transactional(propagation = Propagation.REQUIRES_NEW)
3. トランザクション制御のまとめと次の学びへ
要点のおさらい
次に学ぶべきテーマ
【外部リンク】
Spring Boot公式サイト
Spring公式トランザクション管理
Spring公式ガイド:トランザクション管理
【内部リンク】
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