SES エンジニアのための Java 学習ロードマップ完全版|何から始めるか 5 ステップで解説
「SES で Java 案件を任されることになったけれど、何から手を付ければいいのか分からない…」。
クライアント常駐の現場経験はあるけれど、次の一歩を迷っているあなたへ──。
本記事では、なぜJavaを選ぶとキャリアに役立つのかを具体例で示し、環境構築から実践で使える技術、さらに“あなたに合った案件の選び方”まで、5つのステップで細かく解説します。記事を読み終えたら、すぐに手を動かし始められるプランがつかめます。
今すぐ動き出す前に:SES×Java案件の実像
SESの現場イメージ
- 常駐先:大手製造業の社内システム部門
- 開発内容:Java + Spring Boot で勤怠管理画面や売上集計バッチを開発
- チーム構成:PL(1名)、先輩エンジニア(2名)、あなた(SESエンジニア)
なぜJavaを身につけるべきか?
-
豊富な案件量
- 金融やECサイトなど、多くの業界でJava案件が常に募集中。
- たとえば「Javaエンジニア募集」で検索すると、数百件以上の求人がヒット。
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困ったときの情報量
- コードを動かす中で出るエラーをGoogle検索すれば、Stack Overflowの解決例が必ず見つかる。
- Spring公式ドキュメントやQiita記事も豊富で、手順が画像付きで解説されている。
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次の言語への橋渡しになりやすい
- Javaで覚える「クラス」「インターフェース」「例外処理」は、KotlinやC#、Scalaでも同じ仕組み。
- JVM上で動く言語は、ビルドや設定ファイルの書き方がほとんど一致するため、経験がそのまま活かせる。
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フルスタックへのステップ
- バックエンドをJavaで固めつつ、JavaScript(Reactなど)を学べば自前で画面も作れる。
- たとえば「Java+Spring Boot」でAPIを作り、「React+Fetch」でそのデータを表示する簡単アプリを1日で完成可能。
用語解説
用語 | 説明 |
---|---|
Spring Boot | ひな形プロジェクトを自動生成し、すぐWebアプリを始められるフレームワーク |
JVM | Javaバイトコードを実行する仮想マシン。Kotlinなども動く |
OOP | クラスや継承を使うオブジェクト指向の考え方 |
React | Facebook製のフロントエンドライブラリ。画面部品を作りやすい |
ステップ① 何から始める?5分でJava開発環境を完成させる
やることリスト
-
JDKインストール
- Oracle JDKかOpenJDK 17をダウンロードしてインストール
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IDE選び
- 無料のEclipse IDE for Java Developersをインストール
- 初回起動時にSpring Toolsプラグインをマーケットプレイスから追加
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プロジェクトひな形作成
- Spring Initializrで「Java 17」「Spring Web」「H2 Database」を選択し生成
- ZIPを展開し、Eclipseで「Import Spring Boot Project」
実践例:Hello APIを動かす
@RestController
public class HelloController {
@GetMapping("/hello")
public String hello() {
return "Hello, SES Java!";
}
}
Run
ボタンを押して、ブラウザでhttp://localhost:8080/hello
にアクセス- 「Hello, SES Java!」が表示されれば成功
用語解説
用語 | 説明 |
---|---|
JDK | Java Development Kit。コンパイラやJVMなどJava開発に必要なツールがまとまったパッケージ |
IDE | 統合開発環境。コード補完やデバッグ機能付きで、開発を効率化 |
Spring Initializr | プロジェクトのひな形をWebで作るサービス |
@RestController | JSONや文字列を返すコントローラを簡単に作るアノテーション |
ステップ ② 何から始める?4 週間で文法から Spring 入門まで
期間 | 学習内容 | 目標 |
---|---|---|
Week1 | Java 文法の基礎 変数・制御構文・ループ クラス/継承・インターフェース |
手順書なしで基礎コードが書ける |
Week2 | 標準 API と例外処理 ファイル操作・日時 API ラムダ/Stream |
小ツールでファイル入出力&日時計算が可能 |
Week3 | Spring Boot 入門 DI( @Service /@Autowired )REST API 実装 |
ToDo API(一覧・追加・削除)が動く |
Week4 | DB 連携とテスト JPA エンティティ・リポジトリ JUnit5・CI 設定 |
Git push で自動テストが完了する |
Week 1:Java文法の基礎を固める
- 変数と型:
int age = 27; String name = "SES";
- 条件分岐:
if (score >= 60) … else …
- ループ:
for (String s : list) …
- クラス設計:
public class User { private String id; … }
- 継承とインターフェース:
class Admin extends User implements Serializable
目標:手順書を見ずに上記コードを書けるように。
Week 2:標準ライブラリと例外処理
- ファイル操作:
Files.readAllLines(Path.of("data.txt"))
- 日付操作:
LocalDate.now().plusDays(7)
- 例外キャッチ:
try (BufferedReader br = new BufferedReader(...)) {
// 読み込み
} catch (IOException e) {
e.printStackTrace();
}
- ラムダ・Stream:
list.stream().filter(x->x>10).forEach(System.out::println);
目標:標準APIを使った小ツールを作成し、ファイル読み書き&日時計算ができる
Week 3:Spring BootでWeb APIを作る
- プロジェクト生成:Spring InitializrでWeb+H2を選択
- DI入門:
@Service
/@Autowired
でクラス間の結合を緩く - REST API:
@GetMapping
,@PostMapping
でCRUDのルーティング実装 - 設定管理:
application.properties
にserver.port=8081
などを記載
目標:簡単なToDoリストAPI(一覧取得、追加、削除)が動く状態を作成
Week 4:DB連携・テスト・CI導入
- エンティティ設計:
@Entity
public class Todo { @Id @GeneratedValue Long id; String title; }
- リポジトリ:
interface TodoRepository extends JpaRepository<Todo, Long>
- 単体テスト:JUnit5の
@SpringBootTest
で起動テスト、Mockitoでモックを注入 - CI設定:GitHub Actionsで、push時に
./mvnw test
が自動実行
目標:リモートGitにpushするだけで、自動でテストが通る仕組みを構築
用語解説
用語 | 説明 |
---|---|
Stream API | コレクションを関数型操作で処理する機能。filter/map/reduceなどを提供 |
DI | 依存性注入。コンストラクタやフィールドに自動でインスタンスを渡す |
JPA | ORM標準仕様。EntityクラスとDBテーブルを自動マッピング |
JUnit5 | Java向けテストフレームワーク。アノテーションでテストメソッドを定義 |
GitHub Actions | GitHub上でCI/CDを動かすサービス。YAMLでジョブを定義 |
ステップ③ 現場で評価される「品質×スピード」技術
具体例で見るレビュー指摘対応
- 命名:「processData()」より「sanitizeAndValidateData()」のほうが何をするか明確
- 例外:
catch (Exception e)
ではなく、catch (IOException e)
と細かく - ログ:
logger.info("Start");
だけでなく、logger.debug("inputParams={}", params);
評価制度を上げる振る舞い
- スキルシート活用:実装した機能や改善提案を表形式で定量的にまとめる
- 週次報告:「●●画面のレスポンス改善でページ遷移時間を30%短縮」など、数字を示す
用語解説
用語 | 説明 |
---|---|
スキルシート | 自身の担当機能や成果を整理したドキュメント。面談や昇進で使用 |
Mockito | テスト時に外部依存をモック化するJavaライブラリ |
logger.debug | 詳細な実行情報を出力し、問題発生時の切り分けに使う |
ステップ④ あなたに合う案件を選ぶコツ
チェックポイント
- 案件期間:短期バラバラより半年以上の継続プロジェクト
- 技術スタック:Java+Springだけでなく、興味のあるJavaScript(React/Vue)が使えるか
- チーム体制:先輩が技術添削してくれるか、ドキュメントは整備されているか
具体的な情報収集方法
- 技術ブログ:案件募集ページで「技術ブログ運営あり」を確認
- 勉強会参加:そこで何を話しているか聞き、現場の温度感をつかむ
一歩先の提案:カジュアル面談で「実際にどんな問題を解決したか」「改善提案例」を深掘り
用語解説
用語 | 説明 |
---|---|
React | 画面部品を組み合わせてSPAを作るJavaScriptライブラリ |
まとめと次の一歩
- Javaを選ぶ理由:案件数・情報量・他言語への応用力
- 環境構築:5分でHello APIを動かす
- 4週間ロードマップ:文法→標準API→Spring→DB&CI
- 現場での振る舞い:命名・例外・ログ+成果の見える化
- 案件選び:期間・技術・チーム体制の3点
次のアクション:この記事を読んで「何を」「いつまでに」やるかTODOリストを作成し、まず1つ目のタスクを今日中に実行しましょう。
FAQ
Q1. 4週間で終わらなかったら?
→学習は人それぞれ。無理に急がず、2週ずつ繰り返して体得を優先しましょう。
Q2. JavaScriptも学ぶべき?
→APIだけでなく画面まで作りたい方は、SpringとReact/Vueの簡単なチュートリアル(公式ドキュメント)を並行学習すると効率的です。
Q3. カジュアル面談のコツは?
→「この記事を読んで実践したこと」「そこで学んだこと」を具体例として話すと、熱意が伝わります。
カジュアル面談のご案内
「評価制度ってどんな仕組み?」「スキルと単価の関係ってどうなってる?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひエントリーしてみてください。
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エントリーはこちらから。
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