SES でフロントエンド未経験でも大丈夫?必要スキルと評価制度のリアル
「SES で働いているけれど、このままでいいのか?」 私たちエンジニア仲間の間でも、「フロントエンドの技術も身につけておいた方がいい?」 こんな迷いを感じるシーンが増えていますよね。
用語解説:SES(システムエンジニアリングサービス)
クライアント企業に技術者を常駐させ、専門技術やノウハウを時間単位で提供するサービス形態。準委任契約で結ぶため、業務範囲を契約書で細かく定義できます。
SES 案件はバックエンド中心の印象が強い一方、 「未経験からフロント領域を学ぶべきか」「そもそも必要なのか?」と悩む人も多いはず。 プロジェクトごとに仕事内容や求められる役割が大きく違う――この“モヤモヤ”を一緒に整理してみましょう。
私たちが「どこを目指せばいいか」「どうキャリアを描けばいいか」を、現場目線で解説します。 (SESエンジニアのキャリア全体像については『未経験からSESエンジニアへ!現場参画でキャリアを築く方法』をご参照ください)
(SESエンジニアのキャリア全体像については「未経験からSESエンジニアへ!現場参画でキャリアを築く方法」をご参照ください)
1. フロントエンド経験は SES エンジニアにどこまで必要?
SES エンジニアにとって、フロントエンド経験や知識がどこまで必要か―― 実は、担当するプロジェクト次第で大きく変わります。
用語解説:フロントエンド
Webサイトやアプリの「見た目」や「操作部分」を担当する領域。HTML・CSS・JavaScriptなどを使い、ユーザーが直接触れる部分を作ります。
- Web アプリ開発案件:HTMLやCSSの修正、JavaScriptによる UI 改善などが発生しやすい
- 基幹システム・バッチ開発:フロント領域にほとんど関わらないケースも多い
まとめると…
- フロント経験が“絶対必須”ではないですが、「ちょっと触れたことがある」と選択肢が広がりやすい
- 担当案件やキャリアパスを考えるうえで、最低限の知識は役立つ場面が多い
- 「どこまでやればいいか迷う」ときは、まず基礎だけでも学んでおくと現場での対応力が上がります
2. フロント未経験・初心者 SES が押さえるべき最低ライン
必要最低限のスキルセット(HTML/CSS/JS/React など)
- HTML/CSS:簡単なレイアウトや修正ができる
- JavaScript:ちょっとした動きやバリデーションを理解できる
- React/Vueなど:入門教材やチュートリアルを一通り試した経験
- Git:ソース管理やチームでのコード共有に慣れておく
- TypeScript(余裕があれば):型の考え方・基本的な使い方を知っておく
(フロントエンドのポートフォリオ作成については「SESポートフォリオ完全ガイド|5年後も選ばれるエンジニアのキャリア戦略と作り方」をご参照ください)
用語解説:HTML
Webページの構造を記述するための言語。見出し・段落・画像などの配置を決めます。用語解説:CSS
Webページのデザインやレイアウトを指定する言語。色・余白・フォントなどを調整します。用語解説:JavaScript
Webページに動きをつけるプログラミング言語。ボタンのクリックや入力チェックなどを実現します。用語解説:バリデーション
入力内容が正しいかどうかをチェックする仕組み。例:メールアドレスの形式確認など。用語解説:React/Vue
Webアプリ開発を効率化するためのフレームワーク。部品(コンポーネント)を組み合わせて画面を作ります。用語解説:Git
ソースコードの変更履歴を管理するツール。複数人での開発や過去の状態への復元が簡単にできます。用語解説:TypeScript
JavaScriptに「型」の仕組みを追加した言語。ミスを減らし、保守性を高めます。
フロントの全てを極める必要はありません。現場での会話や小さな修正に対応できる範囲が“未経験からの最初のゴール”です。
現場 OJT と独学、どこまでやれば OK か?
- 現場 OJT:配属後に先輩から教わりながら実務経験を積む人も多い
-
独学ロードマップ例
- ProgateやUdemyなどの基礎講座
- 簡単な Web ページや小さなアプリを自作してみる
- GitHubでコードを管理してみる
(ReactやVueの案件参画準備については「Vue.js・React案件の参画準備7選|SESエンジニアがつまずかないための知識」をご参照ください)
用語解説:OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
実際の業務を通じて、先輩や上司から直接指導を受けながらスキルを身につける方法。用語解説:Progate/Udemy
初心者向けのオンライン学習サービス。プログラミングやWeb技術を基礎から学べます。用語解説:GitHub
ソースコードをインターネット上で管理・共有できるサービス。ポートフォリオ作成にも活用されます。
最初から全部できなくても OK。 “これまでに触ったことがあります”と言えるだけで、役割や案件選択肢の幅が広がります。
3. SES エンジニアのキャリアとフロントスキルの関係
フロントエンドスキルがキャリアにどう影響するか―― 例えばこんなメリットがあります。
- プロジェクトや職場の幅が広がる(「この案件もできます」と言える場面が増える)
- 得意分野が増えることでキャリア選択肢が増す
- 転職や社内異動時にアピール材料になりやすい
逆に、バックエンドやインフラ専門で進みたい場合は「必ずしもフロントを極める必要はない」こともポイント。 どんなエンジニアを目指すか――“知っておくと便利なスキル”としてフロント領域を捉えましょう。
用語解説:バックエンド
Webサービスの「裏側」や「データ処理」を担当する領域。サーバー・データベース・APIなどを扱います。用語解説:インフラ
システムを支える基盤部分。サーバー・ネットワーク・クラウドなどの管理・運用を指します。
4. プロジェクト配属やスキル評価で意識したいこと
SES 業界では、配属されるプロジェクトや業務は スキルシートやこれまでの経験、学習意欲など複数の要素で決まります。
用語解説:スキルシート
自分が持っている技術や経験を一覧でまとめた書類。配属や案件選定の参考資料になります。用語解説:学習意欲
新しい知識や技術を積極的に身につけようとする姿勢。評価やキャリアアップにも重要です。
- フロント経験があると「Web 案件」「UI/UX 系プロジェクト」に携われる機会が増える
- 希望通りの案件にアサインされやすくなる場合も
- 企業ごとに評価や案件選定の基準は違うので、制度やルールの確認が大切
用語解説:UI/UX
UIは「ユーザーインターフェース」、UXは「ユーザー体験」。使いやすさや見た目、操作感などを指します。用語解説:制度・ルール
会社やプロジェクトごとに決められた仕組みや決まり。評価や配属の基準にも関わります。
「どの案件に配属されるか選べない/希望が通りづらい」と感じたら、 配属や評価の仕組みを事前に確認し、疑問点は面談や担当者へ相談しましょう。
5. 未経験からフロントに挑戦したい人へのアドバイス
学習の進め方(具体策)
- ホームページを 1 枚作ってみる テンプレを使わず、自作のポートフォリオや自己紹介ページを作る。 タグや構造を意識すると理解が深まります。
- HTML タグについて調べながら手を動かす
<h1>
〜<h6>
、<div>
、<span>
、<img>
などの役割を、 W3SchoolsやMDN Web Docsで確認しながら実践。 - CSS の基本スタイルを学ぶ 色・余白・レイアウト変更など「プロパティの意味と効果」を自分で試す。 例:
background-color
、margin/padding
、display\:flex
など。 - デベロッパーツールでサイトを観察 Chrome/Edge の検証(F12 キー)でレイアウトや色指定を調べる。 実際に CSS を一部変更して動きを試すのもおすすめ。
- JavaScript の基礎を身につける ボタンをクリックした時に表示内容が変わるなど、 ちょっとした動きを実装して「動的なページ作り」に挑戦。
- React や Vue のチュートリアルに挑戦 公式チュートリアルや Progate/Udemy の入門コースで、 Todo リストやカウンターなどの Web アプリを作ってみる。
- GitHub に学習成果をアップ 完成したファイルを GitHub にアップロード。 チーム開発やコード共有の雰囲気にも慣れておきましょう。
用語解説:ポートフォリオ
自分の制作物や成果物をまとめたWebページやファイル。就職活動やスキル証明に活用されます。用語解説:HTMLタグ
Webページの各要素(見出し・段落・画像など)を表す記号。例:<h1>は大見出し、<img>は画像。用語解説:W3Schools/MDN Web Docs
Web技術の公式・定番解説サイト。タグやプロパティの意味・使い方を調べるのに便利です。用語解説:CSSプロパティ
色・余白・レイアウトなどを指定するための項目。例:background-color(背景色)、margin(外側の余白)。用語解説:デベロッパーツール
Webブラウザに搭載された開発者向け機能。ページの構造やスタイルを調べたり、リアルタイムで変更できます。用語解説:動的なページ
ユーザーの操作に応じて内容が変化するWebページ。JavaScriptなどで実現します。
「まずは“自分で作ってみる”」「人のサイトを分解してみる」「ちょっとした機能を再現する」 この繰り返しが一番の近道です。小さな成功体験を積み重ねて、自信と理解を深めていきましょう。
SES 未経験からフロントを学ぶのは無理ではない。迷ったら基礎だけでも始めてみよう
SES エンジニアとしてフロントエンドの経験が必要かどうかは、キャリアパスやプロジェクトで異なります。 ただし、少しでもフロント技術に触れたことがあると、案件選択やキャリアの幅が広がるのは間違いありません。
全部を完璧にする必要はありません。「最低限の基礎だけでもやってみる」ことで、将来の選択肢が増えます。
用語解説:キャリアパス
自分がどんな技術者・職種を目指すか、将来の進路や成長の道筋を指します。用語解説:案件選択
自分が担当するプロジェクトや業務内容を選ぶこと。スキルや希望によって幅が広がります。
迷いがある人はまず簡単な教材からトライし、“やったことがある”を増やしていきましょう。 気になることや不安があれば、自分の希望や疑問を相談できる環境や担当者を探すことも大切です。
ぜひコードをコピペして、まずは動かしてみてください。
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