はじめに
「SESエンジニアとして、JavaScriptを学ぶとどんな案件やプロジェクトに関われるのだろう?」
そんな疑問を持ったことはありませんか。JavaScriptはWeb開発の現場で最も需要が高く、フロントエンドからサーバーサイドまで多様な活躍の場があります。
本記事では、SESでJavaScriptを習得することで参画できる案件やプロジェクトの種類、他言語への応用やキャリアの選択肢が広がる理由を事例とともに解説します。
SES で参画できる JavaScript 案件の具体例
SESエンジニアがJavaScriptを習得することで、Webアプリ開発、UI/UX改善、業務システムのリプレイス、API連携、テスト自動化、パフォーマンス改善など幅広い現場に関われます。
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Web アプリケーション開発
React や Vue、Angular などのフレームワークを用いた SPA(Single Page Application)構築は、現在の Web 開発の主流です。特に React は、国内求人で最も多く使われているフレームワークです。用語解説:SPA(Single Page Application)
1つのWebページ上で画面遷移やデータ更新を行うアプリケーション。ページ全体の再読み込みをせず、ユーザー体験が向上する。用語解説:React
Facebookが開発したJavaScriptライブラリ。UIを部品(コンポーネント)単位で構築でき、再利用性・保守性に優れる。用語解説:Vue / Angular
どちらもJavaScript製のフレームワーク。Vueは軽量・習得しやすく、AngularはGoogle製で大規模開発に強い。 -
フロントエンド UI/UX 改善プロジェクト
企業のコーポレートサイトや EC サイトの UI/UX 改善は、JavaScript の知識が必須。ユーザー体験向上のための A/B テストや動的コンテンツ実装も担当します。用語解説:UI/UX
UIは「ユーザーインターフェース」、UXは「ユーザー体験」。見た目や操作性、使いやすさを指す。用語解説:A/Bテスト
2つ以上のパターンを比較し、どちらがより効果的かを検証する手法。 -
社内業務システムの JavaScript リプレイス
レガシーなシステムを最新の JavaScript 技術でリプレイスする案件もあります。TypeScript導入や API連携の設計など、モダン化の中心を担います。用語解説:TypeScript
JavaScriptに型定義を加えた言語。大規模開発や保守性向上に役立つ。用語解説:API
アプリケーション同士がデータや機能をやり取りするための窓口。RESTやGraphQLなど方式がある。 -
API 連携・非同期処理の実装
REST API や GraphQL との連携、非同期処理(Promise, async/await)の実装は、現場で頻繁に求められるスキルです。用語解説:REST API / GraphQL
RESTはURLとHTTPメソッドで操作するAPI方式。GraphQLは必要なデータだけ取得できる新しいAPI方式。用語解説:Promise / async/await
JavaScriptの非同期処理を簡単に書くための仕組み。API通信や時間のかかる処理で使う。 -
テスト自動化・E2E テスト導入
Selenium や Cypress などのテストツールを使った自動化案件も増加。品質担保のためのテスト設計力が評価されます。用語解説:E2Eテスト
End to End(端から端まで)テスト。ユーザー操作を自動化し、システム全体の動作を検証する。用語解説:Selenium / Cypress
Webブラウザ操作を自動化するテストツール。Seleniumは多言語対応、CypressはJavaScript特化。 -
Web サイトのパフォーマンス改善
Lighthouse や Web Vitals を活用したパフォーマンスチューニングも SES 現場での重要な業務です。用語解説:Lighthouse / Web Vitals
Googleが提供するWebサイトの速度・品質診断ツール。改善点を数値で示してくれる。
(ReactやVue案件の参画準備については『Vue.js・React案件の参画準備7選|SESエンジニアがつまずかないための知識』をご参照ください)
なぜReactが選ばれるのか?
Reactはコンポーネントベースのアプローチを採用しており、部品ごとにUIを分割できるため再利用性と保守性に優れています。
また、仮想DOMによる高速な描画が可能で、大規模なアプリケーションでもパフォーマンスを維持しやすいのが特徴です。
用語解説:コンポーネント
UIを構成する独立した部品。例えば「家の部屋」のように、必要に応じて組み合わせ・変更できる。用語解説:仮想DOM
画面の変更点だけを効率的に反映する仕組み。高速な描画を実現するReactの特徴。
コンポーネントとは?(例えで解説)
コンポーネントはアプリケーションのUIを構成する独立した部品です。
例えば「家の部屋」のように、それぞれの部屋(コンポーネント)が独立して機能し、必要に応じて組み合わせることができます。
この仕組みにより、複雑なアプリケーションも効率的に構築できます。
コンポーネントの仕組みが使われる理由
コンポーネントを使うことで、開発者はアプリケーションを小さな部品に分割し、それぞれを独立して開発・テストできます。
これによりコードの再利用性が高まり、保守性も向上します。
例えば「家の設計図」を考えてみてください。各部屋(コンポーネント)は独立して設計され、必要に応じて変更や追加が可能です。
このように、コンポーネントを使うことで、柔軟で効率的な開発が実現できます。
JavaScript の汎用性と他言語への応用力
JavaScriptは他言語と文法や設計思想が近く、TypeScriptやPython、PHPなどへの移行も容易です。Node.jsによるサーバーサイド開発や最新技術へのキャッチアップも可能で、基礎力が他分野でも活かせます。
(TypeScriptの始め方やJavaScriptとの違いについては『TypeScriptの始め方|Node.jsとVSCodeで学ぶ開発環境構築ガイド【初心者向け完全解説】』をご参照ください)
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C 系(C#, Java, TypeScript)や Python、PHP との親和性
JavaScript の文法や設計思想は、他の主要言語と共通点が多く、習得後の言語移行が容易です。たとえば、TypeScript は JavaScript のスーパーセットであり、型安全な開発へスムーズにステップアップできます。用語解説:スーパーセット
既存言語の機能をすべて含み、さらに拡張機能を持つ言語や仕様のこと。 -
Node.js によるサーバーサイド開発
フロントエンドだけでなく、Node.js を使えばバックエンド開発にも参画可能。API 設計や DB 連携など、フルスタックエンジニアへの道も開けます。用語解説:Node.js
JavaScriptでサーバーサイド(裏側の処理)を実装できる環境。APIやデータベース連携も得意。用語解説:フルスタックエンジニア
フロントエンド(見た目)もバックエンド(裏側)も両方開発できるエンジニア。 -
最新技術へのキャッチアップ
React や Next.js、Svelte など、JavaScript エコシステムは進化が速く、常に新しい技術に触れられる環境です。AI 活用や自動化(Copilot, GitHub Actions)との連携も容易です。用語解説:エコシステム
関連技術やツール、ライブラリが集まった技術の“生態系”のこと。用語解説:Copilot / GitHub Actions
CopilotはAIによるコード補助ツール。GitHub Actionsは自動化(CI/CD)を実現する仕組み。 -
汎用的なアルゴリズム・非同期処理・API 設計
JavaScript で身につく非同期処理(Promise, async/await)や API 設計力は、Python や Go、Java など他言語でも通用する基礎力です。用語解説:アルゴリズム
問題解決のための手順や計算方法。プログラムの“レシピ”のようなもの。
FAQ
- SESでJavaScript案件に参画するには?
基本的な文法、主要フレームワーク、API連携・非同期処理の実装力が必要です。 - 他言語も習得しやすい?
TypeScriptやPythonなどへの移行が容易です。 - よく使われるフレームワークは?
React、Vue、Angularが主流です。 - キャリアアップにどう役立つ?
案件選定や転職時のアピールポイントになります。 - 学習方法・教材は?
MDN Web Docs、公式Reactチュートリアルなど。
まとめ
SESでJavaScriptを学ぶことで、現場・プロジェクトの選択肢が広がり、他言語への応用力やキャリアパスも豊富になります。技術力だけでなく、制度や単価交渉にも活かせる“汎用的な武器”として、今後のキャリア形成に大きなメリットとなるでしょう。
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