システムエンジニア未経験が学ぶべきスキルは?プログラミング vs 資格の優先順位
「未経験だとシステムエンジニアは何から始めればいいの?」
私たちがよく受ける質問です。求人票には「Java経験必須」「資格取得歓迎」と並び、どちらを優先するか悩むのも当然です。
体験談でも「まずプログラミングを身につけるべき」「資格が転職の後押しになる」と意見は分かれています。情報が多すぎて最初の一歩が見えにくいですよね。
この記事では、未経験からSEを目指す方に「プログラミングと資格、どちらを優先すべきか」を具体的な学習手順とセットで整理します。
用語解説:SE(システムエンジニア)
ここでは「システム開発に関わる技術者」を指します。設計・実装・テスト・運用など複数工程にまたがる業務を担当することが多く、職種によっては要件定義や顧客折衝を行う場合もあります。用語解説:プログラミング
コンピュータに命令を与えるためのコードを書くこと。言語(Java、Pythonなど)を使って動作するプログラムを作ります。
(SEの働き方や業務フローの詳細については「SESエンジニアとは?4ステップで業務フロー&スキル完全ガイド」や、「SESエンジニアは何から始める?未経験でも安心の基礎スキルとキャリアパス完全ガイド」をご参照ください)
1. システムエンジニアとは?未経験でも目指せる理由
仕事内容とプログラマの違い
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SE:要件定義・設計・テスト設計など「全体像」をまとめる役割
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プログラマ:設計書をもとにコードを書く役割
→ 未経験者がまず磨くべきは「コードを書く力」です。その上で設計や要件定義に広げるのが現実的な順序です。
働き方の種類
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受託開発:依頼されたシステムをチームで作る
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自社開発:自社のサービスや製品を継続的に改善する
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フリーランス:案件ごとに契約し自由に働く
どの形態でも、最初にプログラミングスキルが必須です。
2. 未経験からSEを目指すなら何から始める?
基礎スキル
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PC操作:コマンドラインを怖がらない
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ネットワーク基礎:「ブラウザでURLを入力すると何が起きるか」を説明できる
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SQL:簡単な検索・追加・削除ができる
-- 全ユーザーを取得する基本SQL
SELECT * FROM users;
用語解説:SQL
データベースに対する問い合わせ言語。検索(SELECT)、追加(INSERT)、更新(UPDATE)、削除(DELETE)といった基本操作を記述します。用語解説:ネットワーク基礎
ブラウザでページを表示する流れ(DNSで名前解決→HTTPでリクエスト送信→サーバーが応答)といった概念を理解しておくと、トラブル解決が早くなります。
(SQLの実務での重要性や学習法については「SESエンジニア必見!SQLスキルの必要性と単価相場」や「初心者向けSQL講座|SELECT文の書き方と実行順を完全解説」をご参照ください)
最初に学ぶ言語(Java/Python)
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Java:業務システムで定番。求人でも最も見かける
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Python:AIやデータ分野で強い。文法がシンプルで始めやすい
→ 最初の一歩はJava。
以下のコードを動かしてみるのがおすすめです。
public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, World!");
}
}
用語解説:Java
業務システムで広く使われる言語。型の厳格さやオブジェクト指向の考え方が特徴で、大規模開発に向いています。用語解説:Python
文法がシンプルで学習コストが低く、データ分析や機械学習、スクリプト作成によく使われます。プロトタイプ作成にも適しています。
(Javaの学習ロードマップや現場での使い方については「SES エンジニアのための Java 学習ロードマップ完全版|何から始めるか 5 ステップで解説」や「JavaとSpring Bootで学ぶWebアプリ作成の第一歩|初心者向けステップバイステップガイド」をご参照ください)
「え、これだけ?」と思うかもしれません。でも最初は「動いた!」という感覚が大切です。
資格の位置づけ
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ITパスポート:全体像を学ぶ入門資格
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基本情報技術者試験:転職時の評価材料
用語解説:ITパスポート
ITの基礎知識(仕組みや用語、業務の流れ)を問う国家試験の入門レベル。業界の全体像を身につけたい人に向いています。用語解説:基本情報技術者試験
プログラミングやアルゴリズム、ネットワークなど技術的な基礎を問う国家試験。転職時の評価材料になり得ますが、実務経験と合わせて効果を発揮します。
(資格を学習やキャリアの指標にする際は「SESエンジニア必須スキル7選&下流工程マニュアル」や、「SESスキルシートの書き方完全ガイド|単価・評価・キャリアを変える実践法」も合わせて参考にしてください)
ただし資格は補助。実務で一番求められるのは「動くコードを書ける力」です。
3. 学習ロードマップ(0〜12か月モデル)
0〜3か月
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ProgateでJavaを基礎から学習
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SQLのCRUD操作を習得
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「電卓アプリ」や「ToDoアプリ」を模写
3〜6か月
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Javaでミニアプリを自作
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GitHubにコードを公開
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Qiitaで学習記事を書き、理解をアウトプット
6〜12か月
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Webアプリを1本仕上げる(ログイン機能つき)
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簡単なポートフォリオサイトを作成
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転職サイトに登録し求人要件を確認
→ ここまで来れば「未経験からエントリー可能」の求人に応募できる状態です。
4. キャリアの選択肢を考える
自社開発企業を目指す
スキルを磨きやすい環境。安定して技術を深掘りしたい人向け。
フリーランスとして独立する
経験を積んだ後に自由度を得たい人向け。ただし営業力も求められます。
転職活動の進め方
求人を眺めて「この案件にはどんなスキルが必要か」を逆算的に把握すると、学習のモチベが上がります。
5. 未経験者が陥りやすい失敗と回避策
学習が続かない/教材ジプシー化
複数教材に浮気すると挫折します。1つをやり切るが鉄則です。
挫折を防ぐ環境づくり
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学習仲間を見つける
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毎日30分だけでも継続
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SNSで進捗を発信
→ 「一人で抱え込まないこと」が続けるコツです。
FAQ
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未経験だと何から勉強すればいい?
まずはPC操作とコマンドライン、簡単なアルゴリズム、そしてJavaやPythonで「動くプログラム」を作ること。小さな成果を積むのが重要です。
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最初に学ぶべき言語はJava?Python?
業務系を目指すならJava、データや機械学習分野ならPythonが有利。汎用性を重視するならJavaから始めて基礎を固めるのがおすすめです。
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資格がないとSEにはなれない?
資格はプラス評価にはなるが必須ではありません。実務で動くコードやポートフォリオ、GitHubの実績がより重視されます。
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自社開発とフリーランス、どちらが有利?
目的次第です。技術を深め安定を求めるなら自社開発、柔軟性や高単価を狙うなら経験を積んだ後のフリーランスが向いています。
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20代後半からでも間に合う?
十分間に合います。重要なのは継続して成果物を作ることと学習の効率化です。年齢よりもスキルの実績が評価されます。
結論
未経験からSEを目指すなら、最優先はプログラミングスキルです。資格は知識整理や転職時の補助にはなりますが、まずはJavaやSQLで成果物を作りましょう。
その後に資格を取れば知識も整理され、自信につながります。キャリア選択肢は自社開発・フリーランスなど広がっています。
まずは「Hello World」を動かしてみてください。そこから一歩ずつキャリアが開けていきます。