はじめに
「GitHub Copilotを使っているのに、思ったほど効率が上がらない」
そんな悩みを感じたことはないでしょうか。
提案を受け入れるたびにマウスに手を伸ばし、思考が途切れてしまう——これは多くの開発者に共通する課題です。
Copilotの操作はキーボードショートカットで完結させることで、提案確認や修正、チャット指示などをスムーズに行えます。
本記事では、Copilotを日常的に使うエンジニアのために、主要IDE(VS Code/JetBrains/Vim)とOS(Windows/Mac)別のショートカット一覧を整理しました。
さらに、インラインチャットやスラッシュコマンドなどの新機能操作、チーム共有のためのカスタマイズ方法までを網羅。
「すぐ使える」「共有できる」Copilotショートカットガイドとして、日常の開発効率を底上げします。
なぜCopilotのショートカットが重要なのか
Copilotはコード提案や補完を瞬時に行うAIツールですが、その真価を発揮するにはキーボード操作が欠かせません。開発現場では、マウス操作にかかるわずかな時間の積み重ねが全体の生産性を左右します。たとえば、1回の操作で数秒の差が出る場合でも、1日あたり数十回繰り返すことで作業効率に明確な差が生じます。
(Copilotの導入手順や効率化メリットについては『GitHub CopilotでAIコード補完!導入手順と効率化メリット徹底解説』をご参照ください)
用語解説:GitHub Copilot
OpenAIの技術を活用したAIコード補完ツール。エディタ上で次のコードや関数、コメントなどを自動提案してくれる。用語解説:ショートカットキー
キーボードの特定の組み合わせで機能を素早く呼び出す操作方法。作業効率化や手の移動削減に役立つ。用語解説:IDE(統合開発環境)
コード編集・デバッグ・ビルドなど開発に必要な機能が一体化したソフトウェア。代表例はVS Code、JetBrains、Vimなど。用語解説:キーバインド
各機能に割り当てられたキー操作の設定。自分好みに変更・カスタマイズできる。用語解説:インラインチャット
エディタ上でAIに直接質問や指示を送れる機能。Copilot Chatなどが該当。用語解説:スラッシュコマンド
チャット画面で「/」から始まるコマンドを入力し、AIに特定の指示(テスト生成・説明など)を出す操作方法。
- 提案受け入れ・スキップ・修正が即座にできる
- マウス操作を減らし、コードから目を離さずに作業を続けられる
- チーム全体で操作を統一し、教育コストを削減できる
特に、プロジェクトで複数人がCopilotを使う場合、操作方法を統一することが重要です。社内でショートカットを標準化すれば、レビューやペアプログラミングの効率も向上します。
IDE別・OS別 GitHub Copilotショートカット一覧
■ VS Code(Windows/Mac/Linux)
| 操作 | Windows/Linux | Mac |
|---|---|---|
| 提案を受け入れる | Tab |
Tab |
| 提案をスキップする | Esc |
Esc |
| 次の提案を見る | Alt + ] |
Option + ] |
| 前の提案を見る | Alt + [ |
Option + [ |
| インラインチャットを開く | Ctrl + I |
Cmd + I |
| 提案リストを表示 | Ctrl + Enter |
Cmd + Enter |
■ JetBrains(IntelliJ/PyCharmなど)
| 操作 | ショートカット |
|---|---|
| 提案を受け入れる | Tab |
| 次の提案を見る | Alt + ] |
| 提案ウィンドウを開く | Ctrl + Enter |
| チャットを開く | Ctrl + I |
JetBrains系では、エディタのプラグイン設定画面からショートカットを自由に変更可能です。複数プロジェクトで異なる設定を使う場合も、共通のプロファイルをエクスポートしてチームで共有できます。
■ Vim/Neovim
| 操作 | キー操作例 |
|---|---|
| 提案を受け入れる | <Tab> |
| 提案を拒否する | <Esc> |
| 次の提案を表示 | <Alt->] |
| 前の提案を表示 | <Alt->[ |
Vimではキーマップ設定を.vimrcやinit.luaに追加して自分好みにカスタマイズできます。慣れた操作体系を維持しながらCopilotの補完を使える点が魅力です。
(Copilotと他AIコーディングツールの比較については『ChatGPT・Copilot徹底比較|AIコーディングツール5選と活用法』をご参照ください)
Copilot操作をさらに効率化する応用ショートカット
- インラインチャットの起動:
Ctrl + I(Windows/Linux)/Cmd + I(Mac)
カーソル位置でAIに質問や指示を送れる。例:「この関数を最適化して」など。 - スラッシュコマンド: チャット画面で
/を入力すると候補が表示される
例:/tests(テストコード生成)、/explain(コード説明)など。 - 提案操作の効率化:
Tabで受け入れ、Alt + ]/Alt + [で候補を切り替え。
これらを組み合わせることで、エディタから離れずに質問・修正・補完が完結します。Copilot Chatを積極的に活用することで、レビュー前のコード整理もスムーズになります。
ショートカットのカスタマイズ&チーム共有術
-
キーバインドを変更する方法(VS Code)
- コマンドパレット(
Ctrl + Shift + P)を開く - 「Keyboard Shortcuts」と入力して設定画面へ
- Copilot関連コマンドを検索し、任意のキーを割り当て
- コマンドパレット(
-
社内用チートシートの作成方法
- 表形式でまとめ、PDFやスプレッドシートに出力
- 各IDE・OSごとのページを用意し、誰でも参照可能にする
-
共有フォーマットのおすすめ
- PDF:印刷配布や入社時教育に便利
- Notion/Confluence:オンライン更新・コメント運用に最適
ショートカット一覧を共有しておくと、新メンバーのオンボーディングがスムーズになり、チーム全体で操作ミスを減らすことができます。
よくあるトラブル&FAQ
- Q1. ショートカットが効かない場合の原因は?
他の拡張機能やIDE設定と競合している可能性があります。キーバインドを確認し、重複を避けましょう。 - Q2. MacとWindowsでショートカットは違う?
はい。MacではCtrlがCmdに置き換わるケースが多く、キー配置にも差があります。 - Q3. 設定をリセットしたい場合は?
VS Codeなら「Keyboard Shortcuts」設定で「Reset Keybinding」を実行すれば初期化できます。 - Q4. Vimでショートカットが反応しない場合は?
.vimrcでマッピングを再確認し、プラグイン読み込み順を調整することで改善することがあります。 - Q5. チームで共有するにはどうすれば?
共有ドキュメントやリポジトリにチートシートを保存し、共通の操作ルールとして展開するのが効果的です。
(CopilotとVSCodeの使い方やQ&Aについては『VSCodeとGitHub Copilotの正しい使い方|AI補完でつまずかないための実例&Q&A集』も参考になります)
まとめ
Copilotのショートカットは、開発スピードと集中力を大きく左右します。
基本操作(提案の受け入れ・切り替え)だけでなく、インラインチャットやスラッシュコマンドを使いこなすことで、より自然にAIと対話しながらコーディングが進められます。
さらに、IDEやOSごとに異なる設定を理解し、チームで標準化することができれば、開発効率の向上と運用の安定化が同時に実現します。
本記事で紹介した一覧と設定方法をベースに、あなたの開発環境に合ったチートシートを作成してみてください。ショートカットを「知っている」から「使いこなす」へ。Copilotの真価はそこから始まります。