はじめに
初めてVue.jsやReactの案件に参画するとき、
「いきなり現場に入って本当にやっていけるのか?」と不安になる方は多いのではないでしょうか。
特にSESエンジニアの場合、配属先が突然決まることもあり、事前に何を準備すればよいのか迷いがちです。
本記事では、現役エンジニアが実際の参画前に知っておくべきポイントを整理しました。
基礎スキルから現場のあるある、さらにキャリアへの影響まで、7つの観点で解説します。
参画前の不安を減らし、自信を持って現場デビューするための参考にしてください。
Vue.js・React案件に参画する前に押さえるべきこと
案件の技術スタックを確認する
現場によってはVue.jsやReact単体ではなく、TypeScriptや状態管理ライブラリ(Vuex, Pinia, Reduxなど)、さらにビルドツール(Vite, Webpack)を組み合わせて利用します。
用語解説:TypeScript
JavaScriptに型の概念を追加した言語。エラーを事前に防ぎ、保守性を高める特徴があります。用語解説:状態管理ライブラリ
アプリ全体で使うデータ(ユーザー情報やカート情報など)を一元管理する仕組み。Vuex/PiniaはVue.js向け、ReduxはReact向けに利用されます。用語解説:ビルドツール
開発中のコードを本番用に最適化(圧縮・変換)するツール。Viteは高速起動が特徴、Webpackは拡張性の高さが特徴です。
参画前に「言語・フレームワーク・ビルド環境」がどうなっているかを確認しておくことで、学習の優先順位が見えます。
(TypeScriptの基礎学習については『TypeScriptの始め方|Node.jsとVSCodeで学ぶ開発環境構築ガイド【初心者向け完全解説】』をご参照ください)
よく使われるフレームワーク・ライブラリ
Vue.jsならNuxt.js、ReactならNext.jsといったフレームワークが現場でよく使われます。
単純なSPA開発にとどまらず、SSRやAPI連携が前提の案件も多いため、最低限の理解を持っているとスムーズです。
用語解説:Nuxt.js / Next.js
Vue.jsやReactで構築されたアプリを「SSR(サーバーサイドレンダリング)」や「静的サイト生成」に対応させるフレームワーク。SEO対策やパフォーマンス向上に強みがあります。用語解説:SPA(Single Page Application)
ページ遷移をせずに画面を書き換えるWebアプリの仕組み。ユーザー体験が向上します。
実務で求められるスキルセット
コンポーネント設計とコードの読みやすさ
VueやReactはコンポーネント指向が基本です。
再利用性と可読性を意識したコードを書くことが、チーム開発では評価につながります。
(JavaScriptでの設計の基本については『図解でわかる! JavaScript初心者がハマる letとvarの違いを徹底解説|現場での注意点まで完全対応』も役立ちます)
用語解説:コンポーネント指向
UIを小さな部品(ボタン・フォームなど)に分けて開発する考え方。再利用や保守がしやすくなります。
API連携・非同期処理
実務ではREST APIやGraphQLを利用したデータ取得が頻出です。
fetch
や axios
の使い方、非同期処理のハンドリングを理解しておきましょう。
(非同期処理の基礎理解については『非同期処理とは?JavaScriptとJavaの実例でわかる使い方・落とし穴・解決法』をご参照ください)
用語解説:API(Application Programming Interface)
システム同士がやり取りする窓口のようなもの。「どんなデータを渡せるか」を定義しています。用語解説:非同期処理
データ取得など時間のかかる処理を「待たずに」進める仕組み。画面フリーズを防ぎ、UXを改善します。
テスト文化に備える
大規模案件ではJestやReact Testing Libraryを用いたテストが必須の場合もあります。
テストコードを書けるエンジニアは希少価値が高く、単価評価にも影響します。
用語解説:Jest
JavaScript向けのテストフレームワーク。単体テストやスナップショットテストが簡単に書けます。用語解説:React Testing Library
Reactコンポーネントの動作をユーザー目線で検証できるテストツール。
現場参画前に確認すべき環境・体制
開発環境の事前準備
Node.jsのバージョン管理、npm/yarnの使い分け、Docker環境の基本操作など、ローカル環境構築力は現場参画初日から求められるスキルです。
(Docker環境の構築については『Docker + Spring Boot で手軽に開発環境を構築しよう!』をご参照ください)
用語解説:Node.js
サーバーサイドでもJavaScriptを動かせるようにした環境。フロント開発でもビルドやテストで利用されます。用語解説:npm / yarn
JavaScriptのライブラリを管理するツール。npmは公式、yarnは高速性が特徴です。用語解説:Docker
開発環境を「コンテナ」としてまとめ、誰でも同じ環境をすぐに再現できる仕組み。
チーム開発ルールの理解
Gitフローやプルリクエストのレビュー文化など、
コードレビューを前提とした開発ルールに慣れておくと現場で戸惑いません。
用語解説:Gitフロー
Gitの運用ルールの一種。開発・テスト・本番用のブランチを分けることで混乱を防ぎます。用語解説:プルリクエスト
自分のコードをチームに共有してレビューを依頼する仕組み。
デザインツールとの連携
FigmaやXDなどのデザインツールからコンポーネントを落とし込む作業は、
フロントエンド案件では当たり前になっています。事前に触れておくと安心です。
用語解説:Figma / XD
UIデザインをチームで共同編集できるクラウドツール。デザインをそのままコンポーネント化しやすい。
SESエンジニアだからこそ注意すべきポイント
案件選定の透明性を高めるための質問
SESでは、案件参画前に詳細が見えにくいことがあります。
「開発体制は?」「レビュー文化はあるか?」「技術選定の自由度は?」など、
面談時に質問しておくことで、消耗案件を避ける確率が高まります。
(SESエンジニアのキャリア戦略については『SESエンジニアとは?4ステップで業務フロー&スキル完全ガイド』をご参照ください)
単価・契約形態とスキルの関係性
単価が高い案件ほど「即戦力」「成果コミット」が求められる傾向があります。
一方でスキルアップ目的なら、単価よりも成長できる環境を優先する判断も有効です。
(単価評価について詳しくは『SESエンジニア必見!SQLスキルの必要性と単価相場』をご参照ください)
用語解説:単価
エンジニアが案件に参画する際の月額報酬。スキルや役割に応じて決まります。用語解説:契約形態
SESの多くは準委任契約。成果ではなく「作業時間」に対して報酬が発生します。
成長につながる案件と消耗する案件
「新技術に触れられるか」「レビューや教育があるか」など、
自分のキャリアに価値を残せるかどうかで案件を見極めることが重要です。
Vue.js・React案件経験がキャリアに与える影響
フロント特化か、フルスタックか
VueやReact案件を経験すると、フロントエンド専門職としてのキャリアを歩む選択肢が広がります。
また、バックエンド(Node.js, API設計)と組み合わせることでフルスタック化を目指す道もあります。
用語解説:フルスタックエンジニア
フロントエンドとバックエンドの両方を扱えるエンジニア。案件の幅が広がります。
まとめ(チェックリスト)
-
技術スタック(TypeScript/状態管理/ビルドツール)を把握したか
-
Nuxt.js / Next.jsなど周辺FWの基礎理解があるか
-
API通信・非同期処理の実装経験を積んでいるか
-
テストツール(Jest等)を触ったことがあるか
-
環境構築(Node.js, Docker)の準備ができるか
-
チーム開発のルール(Gitフロー/レビュー文化)を理解しているか
-
案件選定の透明性を高めるための質問を準備しているか
これらを押さえておけば、Vue.js・React案件参画前の不安を大きく減らせます。
FAQ
Q: Vue.jsとReact、どちらの案件が初心者におすすめ?
→ 学習コストはVue.jsの方が低い傾向。ただし案件数や求人の多さはReactが優勢。
Q: 参画前に最低限押さえておくべき技術は?
→ JavaScript/TypeScript、SPAの仕組み、API通信、Git操作。
(JavaScriptのデバッグについては『なぜ「undefined」が出る?原因と解決法10選|JavaScript のデバッグに効く実例集』をご参照ください)
用語解説:Git
ソースコードのバージョン管理システム。変更履歴を追跡し、複数人で安全に開発できます。
カジュアル面談のご案内
「評価制度ってどんな仕組み?」「スキルと単価の関係ってどうなってる?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひエントリーしてみてください。
制度の詳細や案件選びのポイントについて、カジュアルにお話しできます。
エントリーはこちらから。