SESと受託開発の違い、現場目線で丸わかり！
ITエンジニアを目指すと、SESと受託開発――2つの働き方の違い、すぐに説明できますか？
「どっちを選べばいいの？」「SESはやめとけって本当？」そんな声、私たちも何度も聞いてきました。
違いが曖昧なまま就職・転職を決めると「こんなはずじゃなかった…」と後悔しがち。一緒にモヤモヤを解消しましょう。
このページでは、現場経験者の視点でSESと受託開発の仕組み・年収・キャリアを1つずつ分かりやすく分解します。
1. SESと受託開発――何がどう違うの？
SES（準委任契約）は“現場の一員”スタイル
SES（システムエンジニアリングサービス）は、エンジニアが客先常駐し、作業支援する契約形態です。
・「成果物」ではなく労働力の提供が本質
・報酬は工数や作業時間で決まることが多い
・現場ごとに求められる役割や文化が違うのが特徴
いろんな現場を転々とすることも多く、「環境の変化が好き」な人には向いています。
（SESの現場業務や契約形態の詳細については『SESと派遣の違いを徹底比較｜契約形態から報酬・キャリア支援まで』をご参照ください）
用語解説：SES（システムエンジニアリングサービス）
客先常駐し、成果物ではなく労働力（作業支援）を提供する契約形態。現場ごとに仕事内容や文化が異なる。用語解説：準委任契約
業務の遂行自体に責任を持つ契約。成果物の完成責任は負わず、作業や労働力の提供が中心。用語解説：工数
作業に必要な時間や人数のこと。SESでは工数や作業時間が報酬の基準になる。用語解説：客先常駐
エンジニアが自社ではなく、顧客企業の現場で業務を行う働き方。
受託開発（請負契約）は“成果物で勝負”スタイル
受託開発は、請負契約でシステムやアプリなど「完成物」を引き受ける働き方です。
・納品と品質に対して責任を負う
・要件調整から設計・開発・リリースまで、チーム一体で取り組むことが基本
・納期や品質に対してプレッシャーも強い反面、“ものづくりの達成感”はひとしおです。
（受託開発の契約や納品責任については『SES・SIer・自社開発の違い徹底比較！あなたに最適な働き方は？』をご参照ください）
用語解説：受託開発
顧客からシステムやアプリなどの開発を請け負い、成果物の納品・品質に責任を持つ働き方。用語解説：請負契約
完成した成果物の納品・品質に対して責任を負う契約。納期や品質管理が重要。用語解説：納品
完成した成果物を顧客に引き渡すこと。受託開発では納品が契約のゴールとなる。用語解説：品質
システムや成果物の完成度・安定性・使いやすさなど。受託開発では品質管理が重要。用語解説：要件調整
顧客と開発側で「何を作るか」「どんな機能が必要か」をすり合わせる工程。
2. 年収・キャリア・働き方を数字で比べてみた
未経験からの年収スタート＆昇給モデル
どちらも未経験スタート時点では年収レンジに大きな差はありません。
・SESは現場単価や評価基準が年収に直結しやすい
・受託開発は担当案件や役割で昇給幅が広がる傾向
どちらもスキルや経験が上がるほど、より良い案件やポジションを目指しやすくなります。
キャリアの広がり＆転職しやすさ
・SES：いろんな業界・技術に触れられ、幅広い現場経験が強み
・受託開発：要件定義や設計・マネジメントなど上流工程に携わるチャンスも多い
どちらも経験を積めば自社開発・PM・フリーランスなど多様なキャリアへステップアップしやすくなります。
（SES・フリーランス・自社開発のキャリア比較については『フリーランスとSES企業の違い徹底比較｜制度・働き方・選び方』をご参照ください）
用語解説：上流工程
システム開発の初期段階。要件定義や設計、マネジメントなど、全体の方針や仕様を決める工程。用語解説：自社開発
自社サービスやプロダクトを自分たちで企画・開発・運用する働き方。用語解説：PM（プロジェクトマネージャー）
プロジェクト全体の進行管理やメンバーの調整、納期・品質の管理を担う役割。用語解説：フリーランス
企業に属さず、個人で案件ごとに契約して働くスタイル。
ワークライフバランス・残業の実態
・SESは配属先の文化・ルールに大きく左右されがち
・受託開発は納期前に業務が集中する反面、スケジュールを組みやすい面も
どちらも「どの企業・どの案件か？」で体験が大きく変わる――事前の情報収集と見極めが不可欠です。
（SES現場の働き方や残業実態については『SES開発工程おさらいガイド｜上流〜下流を完全解説』をご参照ください）
3. 初学者・若手エンジニアのリアル体験談
SESの日常――現場ごとに変わる“自分”
- 「毎回ゼロから人間関係を作るのが大変」
- 「スキルアップの計画が立てづらい」
- 「いろんな現場で自分の成長を実感できることも」
帰属意識が希薄になる一方で、「刺激が好き」「変化を楽しみたい」人には合っています。
受託開発の日常――“ものづくり”の醍醐味
- 「仲間と一緒に一つのゴールを目指す充実感」
- 「納期や品質へのプレッシャーも…」
- 「顧客との要件調整や設計、幅広い工程に関われる」
自分の役割や成果が形になるやりがいを味わえます。
4. 契約・法務・リスクQ&A｜“やめとけ”は本当？
SES・受託開発で知っておきたい契約リスク
- SESは「準委任契約」が多く、成果物の責任は負いませんが、就業管理・指示系統に注意。
- 受託開発は「請負契約」で、納品責任・品質管理がカギとなります。
用語解説：就業管理
エンジニアの勤務時間や業務内容を管理すること。SESでは指示系統や管理方法に注意が必要。用語解説：指示系統
業務の指示を誰が出すかという仕組み。SESでは顧客側と自社側の指示が混在しやすい。
いずれも契約内容や労働条件を事前にしっかり確認することが大切です。
よくあるトラブル例と失敗回避ポイント
- SES：「業務内容のミスマッチ」「現場とのコミュニケーション不足」
- 受託開発：「要件変更」「顧客との認識違い」「納期遅延」
どちらも“案件選び”と“契約内容の理解”が重要。焦って決めず、複数比較する視点を持ちましょう。
5. 自分に合う働き方は？簡易診断チャート＆Q&A
✅あなたはどっち派？チェックリスト
- 多様な現場で短期間で経験値を積みたい → SESが向いているかも
- 一つのサービスにじっくり関わりたい → 受託開発が向いているかも
- マネジメントや設計・企画にも興味がある → 受託開発で経験しやすい傾向
- いずれ自社開発やフリーランスも目指したい → どちらの経験も活きる！
自分の「やりたいこと」「重視したい軸」を整理してみましょう。
6. まとめ――“働き方”より“キャリア設計”で考える時代
SESも受託開発も、それぞれメリット・デメリットがあります。
どちらを選んでも、「どうキャリアを描くか」「どんなスキルを磨きたいか」が大切。
情報をもとに自分の志向を整理して、納得できる第一歩を踏み出しましょう。
FAQ｜よくある疑問に回答
- Q. SESと受託開発、未経験者にはどちらがおすすめ？
A. 幅広い現場経験ならSES、ものづくりやチーム重視なら受託開発。 - Q. 受託開発は未経験には難しい？どんなスキルが必要？
A. コミュニケーション力・基礎技術力・チームでの業務経験が活きる。 - Q. 年収・昇給やキャリアパスの差は？
A. スタート時は大差なし。役割や案件で昇給・キャリアの幅に差が出る。
ぜひ、自分に合う選択肢を手元のノートに書き出してみてください。
