ChatGPTの要約で抜け漏れをゼロにすることは保証できません。重要な文書では、いきなり短く要約するのではなく、①数字・日付・固有名詞・条件・例外・決定事項を先に抽出し、②その抽出結果を守って要約し、③最後に原文と要約を照合する3段階に分けると確認しやすくなります。OpenAIも、重要な情報はChatGPTの回答だけで判断せず、元の情報を確認するよう案内しています。
まず結論:抽出→要約→照合の3段階に分ける
| 段階 | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 1. 抽出 | 数字・日付・固有名詞・条件・例外・決定事項を一覧化 | 重要情報を先に保護する |
| 2. 要約 | 抽出結果を残したまま目的に合う長さへ圧縮 | 読みやすくする |
| 3. 照合 | 原文と要約を項目別に比較 | 抜け・相違・根拠なしを見つける |
一度の指示だけで『重要な情報は全部残して短くして』と頼むより、確認対象を先に定義し、工程を分離した方が、どの情報が落ちたかを人間側でも追いやすくなります。
1. 要約前に重要項目だけを抽出する
最初の段階では、まだ要約しません。要約すると圧縮と選別が同時に起きるため、落としたくない情報を先に一覧へ出します。特に仕様書、議事録、契約条件、調査メモでは、数字や例外の欠落が意味を変えやすいため優先して確認します。
# Task
以下の原文から重要情報を抽出してください。まだ要約しません。
# 必ず確認する項目
- 数字・割合・金額
- 日付・期限
- 人名・会社名・製品名
- 条件・例外・否定
- 決定事項・担当・次の行動
# Rules
- 原文にない情報を補わない
- 該当がなければ「記載なし」
- 各項目に短い根拠箇所を添える
# Source
"""
ここに原文
"""
項目を固定すると、『重要そうな内容』という曖昧な基準ではなく、何を探すかを明示できます。ただし、この抽出結果自体も誤る可能性があるため、重要文書では原文が最終確認先です。
2. 抽出結果を守ったまま要約する
次に、利用目的と出力形式を決めて要約します。OpenAIのプロンプトガイドでも、指示を具体化し、期待する出力形式を明示することが基本的な方法として案内されています。
次に要約してください。
目的: 上司への共有
長さ: 5項目の箇条書き
必ず残す情報: 上の抽出結果にある数字・日付・固有名詞・条件・例外・決定事項
追加ルール: 原文にない推測は追加しない
長さだけを『短く』と指定するのではなく、誰が何のために読むか、何項目にするか、何を削除してはいけないかを分けて書くと、出力を確認しやすくなります。
3. 要約後に原文との照合表を作る
要約ができたら、そこで完了にせず原文との比較へ進みます。検証用の出力は、合っているかどうかだけでなく、どの種類の情報に問題があるかを表にすると修正箇所を追いやすくなります。
原文と要約を照合してください。
数字 / 日付 / 固有名詞 / 条件・例外 / 否定 / 決定事項ごとに、
「一致 / 抜け / 相違 / 原文に根拠なし」を表にしてください。
相違があれば、原文に沿った修正版候補を示してください。
ここでChatGPTに再確認させることは補助になりますが、同じモデルによる二重チェックだけで正しさが保証されるわけではありません。社外提出、契約、金額、期限など影響が大きい情報は、最後に人が原文へ戻って確認します。
『重要なことは落とさないで』だけでは確認しにくい
『重要なところを漏れなく要約して』という指示は簡単ですが、何を重要とするかが曖昧です。数字を守りたい文書と、意思決定を守りたい議事録では、確認項目が異なります。抜け漏れ対策では、要約そのものより先に『保護する情報の種類』を定義するのがポイントです。
| 原文の例 | 保護する情報 |
|---|---|
| 10%未満の場合のみ対象 | 数字 + 条件 |
| 10月15日までに提出 | 日付 + 行動 |
| 原則利用可。ただし社外端末を除く | 原則 + 例外 |
| A社のB製品を採用 | 会社名 + 製品名 + 決定 |
| 今回は実施しない | 否定 + 決定 |
| 担当は田中さん | 固有名詞 + 担当 |
長文はセクション単位で抽出してから統合する
長い原文では、最初に見出しやセクション一覧を作り、各セクションから重要項目を抽出し、最後に抽出結果を統合して要約する方法も有効です。これにより、文書全体を一気に圧縮する前に、どの章から何を拾ったかを確認できます。
- 原文の見出し・セクション一覧を作る
- 各セクションごとに保護項目を抽出する
- 重複を整理して1つの重要情報表へ統合する
- 統合表を守って全体を要約する
- 最後に原文と要約を照合する
入力元をChatGPTが参照できない場合は、参照できた前提で要約させず、確認可能な本文やファイルを用意してから進めます。
既存のAI要約・プロンプト記事とは役割を分ける
Route Zeroには、AI要約による情報収集の効率化や、ChatGPTへの指示精度を上げる記事があります。本記事は『速く要約する』ことや汎用プロンプト全般ではなく、重要情報を落とさないための抽出と照合フローに範囲を限定しています。
(AI要約を情報収集の時短に使う基本を確認したい場合については『AI要約で情報収集を効率化!ChatGPT活用で会議議事録も時短』をご参照ください)
(ChatGPTへの指示を具体化する基本を確認したい場合については『GPT指示精度を上げる方法|ChatGPTで使える指示テンプレ7選』をご参照ください)
よくある質問
プロンプトを工夫すれば抜け漏れをゼロにできますか?
ゼロは保証できません。重要項目の抽出、要約、原文照合を分けると確認しやすくなりますが、重要な情報は最終的に元の文書で確認します。
引用や根拠箇所も出させた方がよいですか?
確認用途では役立ちます。抽出項目ごとに短い根拠箇所を示させると原文へ戻りやすくなります。ただし、提示された根拠が正しいかは原文で確認します。
どの項目を最優先で守ればよいですか?
文書の用途によります。一般に、数値・日付・固有名詞・条件・例外・否定・決定事項は、抜けると意味や行動が変わりやすいため確認対象にしやすい項目です。
まず重要な1つの文書で、いきなり要約せず『重要項目の抽出→要約→原文照合』の3段階を試してみてください。